北播磨地域学習フォーラムに約80人が集う

 自然豊かな加古川上・中流域に育まれた歴史・文化などあらゆる分野にわたって地域住民が行う学習・研究活動を発表し、意見交換会をすることで当地域の活性化を図ろうと、北播磨県民局と兵庫教育大学が連携したフォーラムが2月16日、やしろ国際学習塾で開催されました。
 はじめに、『未来に残し伝えたい北播磨の豊かな環境~自然と文化~』と題して、兵庫教育大学・山田卓三名誉教授による講演がありました。山田教授は、『放置しておくと環境は出来ない。主要な植物は地域によって異なります。人が手をかけその地域にふさわしい里山づくりが今、必要なことではないでしょうか。そのことをエコロジー(生態学)やサイエンス(科学)でもって考えて欲しい。』と力説しました。
 その後、ガーデンプランナーのジャルディニェ佳代子さん、多可町中区坂本営農組合代表理事の浅田利弘さん、同町八千代区ホタルの宿路の会元会長の小林義和さんの3名が活動発表を行いました。
 ジャルディニェ佳代子さんは、花を通じた環境緑化と地域組織の仕組みについて発表し、し続けることは難しいけれど地域住民が守り引き継いでいくことで人々の意識、暮らしを豊かにすると説きました。
 特に、西日本一の規模を誇るラベンダーパーク多可では、地域住民が育てた苗だけを植栽していることを紹介し、観光だけのラベンダー園ではなく、ラベンダーを生活の一部として取り入れ年中かかわりある生活を目指していきたいと語りました。
 浅田利弘さんは、EM菌を使って酒米・山田錦を有機JAS栽培(無農薬・無化学肥料)する取り組みについて説明しました。有機JAS栽培は一般の栽培と比べ雑草除去等に大変な労力が要ります。しかし、蔵元・福光屋の強い要望に応えるため栽培方法等の研究に東奔西走。環境に優しい農業は、人間も含めて全ての生き物に優しい農業であると再認識し、西脇農業改良普及センターの強力な指導のもと環境創造型農業推進事業に取り組んでいることも報告。モリアオガエルをはじめ水田に多種多様な生物が棲息・飛来するようになったことを報告しました。なお、来年は、オーガニックのお酒として海外向けに販売する計画があるなど、環境にも生き物にも優しい農業が世界一の酒を造り出すロマンを語りました。
 また、小林義和さんは環境のバロメーターとして地域でホタルを育てている活動を報告しました。同地域に棲息するゲンジボタル、ヘイケボタル、ヒメボタル、クロマドボタルをとりあげ、厳しい自然の中でわずかの間しか生きることが出来ないホタルの一生を説明しました。そして、特にホタルは人里の生き物であることを強調し、水辺が潤いカエルの伴奏とともにホタルが乱舞する風景が、最高の贅沢であることを語りました。

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