「宗我」の墨書土器が出土!! 那珂ふれあい館で「速報展」開催

 4月15日(火)、県立考古博物館は、中区曽我井の曽我井・沢田遺跡から「宗我」などと書かれた墨書土器が出土したと発表しました。
 この発見により、中央の豪族「蘇我氏」に仕えた「宗我部」が奈良時代に同地域に住んでいたと伝える正倉院文書の記述が初めて裏付けられました。
 同土器は、国道427号線拡幅工事に伴い昨年度行った調査によって発見。奈良時代後半に掘られた水路から出土しています。
 他にもこの水路からは、けがれを払う儀式に用いた「人形」5点や、斎串(「いぐし」:神の依り代としてつくられた短冊状の木製品)数十点、呪符木簡(「じゅふもっかん」:願いが叶うようまじないを書いた木札)1点も見つかっています。なお、大型建物跡も見つかっており、県立考古学博物館では「中央政府とつながりがある有力な集団であったと推測できる」としています。
 また、多可町教育委員会も同日、同町中区田野口にある田野口・箆町遺跡(へらまちいせき)と田野口・宮ノ下遺跡の発掘調査結果を発表しました。同遺跡では、弥生時代後期の竪穴住居跡や溝を確認。
 特に溝からは丹後・但馬地方の特徴を備えた土器がたくさん出土しており、当時は近畿北部の影響が強い地域であったことが分かっています。 また、平安時代後半から鎌倉時代前半の掘立柱建物跡(8棟)や溝なども確認しており、人々が古くから同地域を連綿と利用して活動をしていたことが分かっています。
なお、上記2件の文化財は、4月27日(日)まで同町中区東山にある那珂ふれあい館(電話:0795-32-0685)で公開(午前9時~午後5時まで、21日(月)、22日(火)は休館日。入場料無料。)

宗我の墨書土器HP1.jpg 宗我の墨書土器HP2.jpg