バイオマス講演会を開催

 5月7日(水)、多可町役場においてバイオマス研究の第一人者である神戸大学教授近藤昭彦先生を招き、「バイオ燃料製造技術の現状と多可町への期待」と題して、バイオマス講演会を開催しました。
 始めに、なぜ今バイオマスエネルギーに取り組まなければならないかを世界のエネルギー消費量と石油埋蔵量限界などを例に説明しました。そして、持続的発展が可能な社会の実現には植物体からのエネルギーに可能性が多く含まれていることを示し、欧米やブラジルでの取り組みを紹介しました。
 一概にバイオエネルギーと言ってもその種類は様々であり、米やとうもろこしからエタノールを作り出すデンプン系バイオマス、草からエタノールを作り出すセルロース系ソフトバイオマス、木からエタノールを作り出すセルロース系ハードバイオマス、菜種油等からディーゼル燃料を作り出す油脂系バイオマス等それぞれの特徴を述べました。
 そして、バイオエタノールの製造工程は酒作りと同じことを例に挙げ、①いかにコストを安くできるか②いかに早く生産できるか③いかに石油エネルギーを使わずにできるかが鍵であり、実証を重ねながら技術を磨いていくことが必要であると述べました。
 また、省エネルギーを可能にするためには輸送コストを抑えることが必要不可欠であり、そのためには地域ごとに拠点を設け、地域間で連携することが重要であると述べました。
 会場には約200名の参加者が集い、「山からの搬出コストがネックになりチップの原材料が高い。効率のよい方法はないか」「採算性を考えるとプラントの規模はどれくらいが適当か」「バイオ燃料は温暖化を促進するのではないか」など活発な質問が飛び交い、関心の高さがうかがえました。

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