中区高岸で「高岸・五反田遺跡(たかぎし・ごたんだいせき)」の現地説明会が行われました。
2月7日(土)中区高岸、「高岸・五反田遺跡」の現地説明会が行われ、多くの歴史ファンで賑わいました。
同遺跡は、平安時代末~鎌倉時代(12世紀~13世紀)の荘園集落の跡として、中町西線の道路工事現場から発見されたものです。
調査の成果は次のとおりです。
【調査面積】約300㎡
【検出遺構】掘立柱建築物(5~6棟)、土坑(10基)、溝(2本)ピット状遺構(約200基)
【出土遺物】須恵器(すえき)、土師器(はじき)・青磁・白磁
なお、平成8年度に当該地から約200㍍南で、同時期の遺構が確認されており、同一集落を構成するものであるとされています。(今回の調査値は集落北端付近に相当する地点と思われる。)
中区内の同時期の遺跡として、多くの輸入磁器を出土し土豪クラスの館が検出された「糀屋・土井の後遺跡」や、在地領主クラスの墓や比較的大規模の建物跡群が検出された「思い出遺跡群」が知られていますが、これらと比較すると、今回の「高岸・五反田遺跡」の構成は、一般的な集落と推定されています。
また、出土遺物の中には、県内初ともされる外面に巴(ともえ)文状の模様が施された須恵器も発見されています。
同町教育委員会(那珂ふれあい館)の安平勝利課長補佐は、同遺跡について「豪族層・裕福層・一般農民層に分かれていった荘園内部の階級社会の様子を知る資料になる」と語っています。
- 投稿者:企画情報課
- 日時:18:30